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「草木を通じての祈り」延べ200作余
松月堂古流いけばな展3年ぶり開催
名駅・名鉄百貨店で

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「草木を通じての祈り」をテーマに、第44回日本生花司 松月堂古流いけばな展が2022年9月7日、名古屋市の名古屋駅前、名鉄百貨店本店催事場で12日までの6日間の会期で始まりました。コロナ禍で2年間休止、3年ぶりの開催です。

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 家元、直門作品を軸に、東海、関西、東京などから前後期合わせて200点の出瓶される大型華展です。

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 コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻という内外の情勢。「このような時こそ、心を込めて植物の命を最大限輝かせるように祈るような気持ちで花をいけます」の思いを託した、作品群が会場に連なります。

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 植松賞月家元の作品は、蹂躙されるウクライナの大地と困難を跳ね除ける旺盛な生命の躍動を表現したような大作です。

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 現代生花の安藤朝江さんの作品は、常緑樹の緑と薄紅葉を大胆に組み合わせた造形に樹氷を思わすオブジェをはさみ、現代的な格調高さで、あたりを圧していました。

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 五大 (地水火風空) で意味づけられた同流伝統の流儀花では、名古屋地区の重鎮、林勝致軒さんが早咲きの椿をいけて、独特の世界観を表現。芒に小菊、竜胆、矢筈ススキなど楚々といけた冨田抄和園さんらどの作品も、見応えがあります。

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 現代的な感覚を加えて創られた流麗花にも、目を奪われます。

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 日本生花司松月堂古流は、江戸時代中期に僧侶の是心軒一露師によって京都で創流された流派です。安政3年(1856年)、当時の家元が孝明天皇に生花を献上したところ、これを喜んだ天皇から「日本の生花の司であれ」との褒められ、以後「日本生花司」の5文字を冠した日本生花司 松月堂古流を正式な流名とし、分流した各流派との区別化を図っています。

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 10日からの後期展では、WEB茶美会注目の久野治子(春翠)さん、久野綾子(綾美)さんの「現代花」作品が登場します。毎回、蓮を大胆に用いて、詩情豊かな茶味ある母娘競演が楽しみです。また、同じく現代花には吉田みき江(松幹)さんの大作が注目されます。

《入場料》税込700円 ※中学生以下無料
●前期=9月7日(水)~9日(金)
●後期=9月10日(土)~12日(月)
※各日10時~19時。9月9日(金)・12日(月)は生け替え及び撤花のため16時に閉場。