美術の宝箱みて触れて
「名美アートフェア」
茶心・遊び心あふれる30ブース
古美術から現代アートまで有力美術商30社が一堂に出店する「名美アートフェア」が、名古屋・栄の名古屋美術倶楽部で2年ぶりに開催されました。
初日の25日は午前10時の開幕を待ちきれない大勢の美術ファンや茶道愛好者たちが詰めかけて、開場と同時に、2階から4階まで3フロアを使った会場へくりこみました。27日午後5時まで。
https://www.meibi.or.jp/meibiartfair.html
名美アートフェアは年に一度、同美術倶楽部の会員美術商が、それぞれに個性豊かなブースを構えて出店。東西、中京地区の一流茶会の席主を務める地元名古屋の有力店をはじめ、東海地方一円、東京、京都、奈良からも参加があり、チャリティー入札会を含めると1500点を超す美術、工芸品が展観されました。
「桃山から現代へ」をテーマに志野、織部、黄瀬戸などの桃山陶から、加藤唐九郎、荒川豊蔵、川喜田半泥子ら昭和の名人の名品を一堂に並べた名品ブースや、茶道ブームに沸いた名古屋産のお国焼香合数十点を独自にランキングした遊び心あふれる「尾張名古屋香合番付」ブースなど、美術展級の趣向を凝らした店もあり、来場者を楽しませていました。
名美アートフェア実行委員長の古川古美術店主の古川祐司さんは「昨年はコロナ禍で中止したので、各店、満を持しての出品です。美術品の良さはネットだけでは伝わらないところがあり、お客さまも実際に見て、手に取って、品定めできるアートフェアを楽しみに、おこしいただいております」と、話していた。
この一年間外出を控えていたという茶道家は「ワクチンを2度接種を済ませ、久しぶりに外出しました。ものすごい数の茶器にちょっと煽られぎみですが、旧知の道具屋さんや茶友と久々にあえて、楽しかった」。
美術商業界はコロナ禍のため昨年3月からほぼ一年間、美術品売買の競り市はほぼ中断。多くの美術商が一時休業せざるを得ないなど大きな影響を受けました。今春から一部再開したものの、度重なる緊急事態宣言の発出によって、さまざまな展示即売会や茶会の貸し会場となっている名古屋美術倶楽部での催事は多くが取りやめになっています。それだけにアートフェア再開が、待たれておりました。