味わう

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織田信長・貞置両公忌
生誕地の城址碑に供茶・花
拾穂園では遺徳しのぶ茶会

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 戦乱の世の平定目前に倒れた織田信長公。6月2日はその命日です。
同じ日に、祖父信長公を敬愛するあまり食と水を絶って絶命したとされる武家茶人、織田貞置公。

有楽流拾穂園は両公の遺徳をしのぶ記念茶会を命日前の日曜日である2023年5月28日、信長公生誕地に近い愛知県稲沢市の同園で開きました。

コロナ感染症の緊急度がようやく緩められ、午前、午後とも有縁、同志の方たちが参集しました。

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広間茶室の床には、藤原俊成が編んだ千載和歌集断簡。持仏堂の雰囲気を持つ茶室の脇床には、渡辺崋山・如山兄弟合筆の信長公画賛を掛けて、ご位牌がわりとしました。

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会衆はまず般若心経を唱和して、御霊を慰めた後、献じられた伽羅一種を聞き回しました。梅雨入り前のカラッとした五月の空を思わせる爽やかで奥深い沈香です。

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席をあらためた濃茶では、脇床に燭台、香炉、花入の三具足を飾り、薫る伽羅、ゆらめく和蝋燭の炎のもと、幽遠なひと時を。後座では一転、障子を開け放って、緑滴る庭から吹き込む薫風を浴びながら、薄茶を味わいました

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茶会では、信長公の孫で尾州系の有楽流では特に重んじられる貞置公の茶杓、信長公が庇護した瀬戸・美濃の古陶など、両公をしのぶ茶器がちりばめられて、初座、後座と使い分け。趣向に富んだ茶会が繰り広げられました。

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この日は、拾穂園恒例の茶器研究会が併催。第14回を数える茶器研究会は、昨年の高麗茶碗シリーズ10回から、今年は「桃山・江戸の華 茶陶お国巡り」がテーマ。古唐津、仁清・乾山、古伊賀に続くシリーズ4回目の今回は「古瀬戸編」。日本六古窯を代表する古瀬戸について、茶会でどう取り合わせするのかを鑑賞してもらうとともに、茶会では使わなかった茶器も交えて、各種茶入、茶碗、花器、水指、徳利などについて、時代ごとの変遷、技法、陶土、釉薬の特徴を実物を愛でながら学びました。時代の趨勢、ニーズに応じて対応しつつ、盛衰を繰り返しながら千年余の窯の火を燃やし続ける瀬戸焼の奥深い魅力を探りました。

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午前の部は、拾穂園での催事後、信長公生誕地とされる勝幡城跡に移動して、茶や花を遺徳をしのぶ城址碑に供えました。

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尾張徳川家の殿様御成の由緒を持つ拾穂園の6〜8月催事は、以下の通りです(事前予約制)。茶室はエアコン完備。

◉6月25日(日) 10:30~、14:00~
拾穂園四季の茶の湯&第15回茶器研究会「桃山・江戸の華 茶陶お国巡り⑤古備前」 緑したたる拾穂園の風情を愛でつつ、夏のお茶を楽しむ2服の茶。

◉7月29日(土)10:30~、14:00~
拾穂園四季の茶の湯&第16回茶器研究会「桃山・江戸の華 茶陶お国巡り⑥黄瀬戸」
納涼の趣向を愛でつつ、しのび寄る初秋を楽しむ2服。日本のやきものの黄金期、桃山時代。希少な美濃桃山陶の中でもまれな黄瀬戸の優品を鑑賞。

◉8月20日(日)10:30~、14:00~
拾穂園愉か多会&第17回茶器研究会「桃山・江戸の華 茶陶お国巡り⑦信楽・伊賀」 浴衣で楽しむ趣向に富んだ2服の茶。「冷え枯れた美」の焼締陶の双璧、古信楽と古伊賀特集。

「拾穂園(しゅうすいえん)」
愛知県稲沢市(名鉄津島線勝幡駅北口下車、徒歩20分)屋敷内に駐車スペースあり 

席主・講師 長谷義隆
申込・問い合わせは sabiejapan2021@gmail.com
住所、お名前、電話番号を記入してメールで。
電080(5138)8001
会費一般7,000円、優待会費、住所など詳細は、メール返信でお知らせします。