味わう

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拾穂日乗〜霜葉は二月の花より紅〜赤く燃えるドウダン

 「お茶杓のご銘は?」「はい、霜夜(しもよ)でございます」。先日、拾穂園で開いた茶会の主客のやりとりです。夏が長く秋は短く、「やや寒」とか「そぞろ寒」「うそ寒」などの季語はあるものの、いきなり真冬の寒さのこのごろ。霜夜(しもよ)とは、霜の降る夜。地面が氷点下になると水蒸気が氷の結晶になるわけですから、寒さもひとしおです。朝は霜柱が立っていました。

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 霜にあたった紅葉の美しさは格別です。拾穂園のドウダンツツジは、まさに霜葉。冬晴れの空に映えて、真っ赤に燃えています。

 「霜葉は二月の花より紅なり」。中国・唐時代の詩人、杜牧は山奥まで出かけて目にした夕暮れの紅葉を、こう歌いました。二月の花より紅なりって、何。と言いたくなりますが、旧暦では2月はもう立春。春に咲く紅顔の花より、霜葉はもっと赤くて美しいという意味です。

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 この霜葉も風が吹くたび、はらはらと舞い落ち、築山の苔ごろもの上に赤い絨毯を敷き詰めております。短い秋の名残りを惜しむ間もなく、年の瀬がやってきました。