味わう

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一器・一花・一菓
荒木高麗手に栗菓子「万華鏡」
木曽路の秋たより

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 すっかり全国的に知られるようになった岐阜・中津川の栗きんとん。予約販売の受け付けが始まりましたが、木曽路、美濃路を旅した知友から「中津川に美味しい菓子どころがあるのよ」と、保冷パックで栗菓子が送られてきました。

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 包みを開けると、中津川・加子母の老舗「仁太郎」製の栗菓子2種「万華鏡」と「翁」です。このうち万華鏡を竹籠に葉を敷いて、さっそく頂きました。栗きんとんを、くず餅で包んであり、刻んだ干し柿が琥珀色の短冊のようにきらめきます。涼味を誘うくず、初秋の味覚・栗。それに実りの錦秋を象徴する干し柿。3つの味のハーモニーがなんとも言えず調和して、美味です。

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 この栗菓子に合う茶碗をと選んだのが、荒木高麗手。低い椀なりながら、こ深いのが初秋の時候に叶う、茶人好みの寂び茶碗です。
 荒木高麗と称していますが、中国南部産の呉須絵陶器というのが定説です。16世紀後半の茶会記に「染付茶碗」として頻繁に見いだされる茶碗が、この荒木茶碗、あるいは同種の碗と考えられています。本歌の荒木高麗は『玩貨名物記』所載。荒木摂津守村重―千利休―徳川家康(駿府御分物)―尾張徳川初代義直と伝わり、徳川美術館に所蔵されています。大名物。
 見込みと外部側面に呉須で抽象的な文様が描かれていますが、高台を除いて内外にかけられた乳白色の釉のため文様は滲み、雅味があります。全体に細かな貫入(ヒビ)があり、江戸初期の美濃「藍志野」にも似た雰囲気があり、中秋に予定している夕去りの茶事に使おうかと思案しています。

 愛知県稲沢市の拾穂園では、今年は「高麗茶碗」を年間テーマに、四季折々の趣向に富んだ茶事、茶会とともに茶器研究会も開催しております。


【拾穂園 令和4年9~11月の催事のご案内】

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◉9月17日(土)  拾穂園 茶事の愉しみ 夕去り編 17:00~
明るいうちに席入りし夕暮れから宵へと刻々と暮れて行く風情を楽しむ茶会。 露地行燈、和蝋燭の灯火が揺れ、庭屋一如の拾穂園ならではの幽玄の茶境を味わう。満席まで若干余裕あり。
(聞香一種、炭手前、点心、濃茶、薄茶) 一般21,000円

◉10月2日(日) 三英傑茶会 10:00〜15:00
会費(名古屋城入場込み)一般6,000円
信長、秀吉、家康の三英傑をたたえ、金城会主催の名古屋城茶会。
信長席(茶苑書院=志野流蜂谷宗玄)、秀吉席(猿面茶席=有楽流長谷義隆)、家康席(本丸御殿孔雀之間=表千家野口裕記)の薄茶3席。愛知を代表する志野流家元、表千家の重鎮宗匠に伍して有楽流が初登場。

◉10月23日(日) 拾穂園四季の茶の湯&茶器研究会 一般7,000円
第8回名残の茶会編&高麗茶碗Ⅷ 青井戸・井戸脇編
10:30~  14:00~

 お問い合わせ、申し込みはメールで。詳細をお知らせします。
sabiejapan2021@gmail.com