味わう

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抹茶・アジア茶どうぞ
金城茶会 アラカルト式で 表流お盆点て・茶箱 中国茶・ネパール茶
2択で1000円

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 金城茶会が2022年7月3日、名古屋市中区の名古屋城本丸御殿「孔雀之間」を会場に、会費1000円で4つの茶席から2種が味わえるアラカルト茶会を催しました。表千家流「お盆点て」「茶箱」、中国茶、ネパール茶と多彩。「喫茶文化でアジアはつながっている」という発想での異色の茶会です。

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 名古屋城内で茶会ができる施設で唯一、空調が効いているのが孔雀之間。本丸御殿の部屋のひとつで、3畳分の床の間を持つ広さ36.5畳の和室です。
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 床の間の掛け軸は、建仁寺の黙雷禅師の書「茶養生仙薬延齢妙術」。中国に修行のため2度渡り、日本に喫茶の風を広めた栄西禅師の「喫茶養生記」の冒頭の一節です。今も昔もお茶を愛飲するアジア各国の喫茶体験してもらおうという茶会の趣旨に、うってつけの軸と言えます。

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 メインの席主は表千家荒川英子さん。全体テーマを演出する床の間の室礼を担当。長大な空間に軸釘が一本もない茶人泣かせの床の間に、よしず張りの襖を持ち込んで、夏らしい涼しげな床飾りをしました。
 棚下の壺には、茶の実を生けてありました。栄西禅師が入宋して帰国の時、茶実三粒を将来し、漢の小柿という茶器に貯えて明恵上人に贈ったという故事にちなんだ飾り付け。席主の教養と細やかな心配りが感じられます。

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 荒川英子社中は、盆の上で点前を行う「お盆点て」。讃岐の後藤塗の盆に、蕎麦写しの茶碗と琉球塗の棗を据えて、熟練の門人がさらさら点前を披露、あっという間に茶が点ちます。菓子は名古屋・川村屋の銘「石清水」です。

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その傍では、表千家岡江智子さん社中による「茶箱」の点前が行われていました。

 さらに、中国茶とネパール茶の2コーナーがありました。

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 中国茶は、金城茶会の常連、上海から里帰り中の柴田美穂さんが担当。2種のあるうち、一杯目は鉄観音烏龍茶の冷茶。上品な味わいです。

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 二杯目は白茶、ホワイトティーと言われるものでした。熱冷ましの漢方薬ともなるローズ科ハマナスの蕾が、湯の中で花開いて行きます。口の中にやわらかに広がる香りに品があり、福建省産です。
ホワイトティー は熟成させるほどよく、3年ものは薬、7年のものは宝と言われているそうです。

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 オレンジ、そらまめを甘納豆風にした干菓子が茶請けでした。
長年住んだ上海から一時帰国のつもりが、コロナ禍によって夫と息子が住む上海に戻れなくなったという柴田さん。「私にはお茶があって、本当によかった。国境を越えて楽しめるのがお茶」と語る言葉に、実感がこもります。

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 お隣は、異国情緒漂う、ネパール茶「チア」のコーナー。チアの席主は、愛知県岡崎市を本店に県内13店舗のインド&ベトナム料理店「スバカマナ」を経営するネパール出身のセレスタ・ロビンダさん・三浦希巳江さん夫妻。セレスタさんは、恰幅のいい紳士と言った印象。アッサム茶の二番茶を30分煮出してミルクを混ぜ、カルダモンなど特製スパイスを配合したミルクティー。チアは、滋養たっぷり。口に残る香辛料が後を引きます。香辛料を原産地から取り寄せてオリジナルブレンドするというロビンダさん。健康飲料だと強調するチアを振る舞っていました。

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同じコーナーで、ネパールのフェアトレード商品を売っている民族衣装姿のネパール人女性、トゥラダール・アスタさんがいました。名城大学大学院農学研究科で農学博士号を取得して、三重大学助教を経て現在は聖心女子大学東京客員研究員の傍ら名古屋・伏見で「ゴダワリ カフェ&レストラン」を2021年に開店 店内では食事だけでなく、フェアトレード商品販売や国際交流、女性自立支援、食文化交流の3つのテーマでイベントを開催しているそうです。

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 ネパール語で謎の名古屋ソングを動画サイトに発信するアスタさん。コロナ禍でなかなか本国へ帰れない名古屋在住のアスタさんが、ふるさとに向け"名古屋の魅力"を歌ったものです。第2作はお茶の魅力を歌う茶ソングを歌詞とメロディーは完成したものの、デュエットする男性歌手を募っているそうです。

 動画はYouTubeで「astha 名古屋 名古屋」で検索すると見る事ができます。

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 金城茶会、次回は9月4日(日)、名古屋城本丸御殿孔雀之間で。表千家 武田美代子さんが担当します。当日券1,000円です。