一分閑話⑦〜服部清人〜
あと一歩の差に
いつも、あと一歩というところでした。
高一の時のマラソン大会。
頑張ったんですが、21位。校内新聞に名前が掲載されたのは20位まででした。
高二になって結構本気でトレーニングして9位になりました。しかし、入賞の景品がもらえるのは8位まででした。
高校最後の想い出に、三年の時は二ヶ月前からしっかり走り込んで臨みました。結果は4位。銅メダルには届きませんでした。
しかも、どの年も手を伸ばせば前をいくランナーに届きそうな差で負けたのです。
今も時々、前をいくそのランナーの背中が夢に出てきます。
あと一歩、もうひと頑張りしていたらと、
反省と後悔の念が小さな傷みをともなってこみ上げます。
でも、その詰められない差の中に
実は人生の妙味があるのかもしれません。
ぎゃらり壺中天主人
©️YOKOI Kazuo