感動と躍動の一瞬68点
舞台写真プロ46人代表作
名古屋・栄で無料公開
長さ90㍍のギャラリーに、アーティストが舞台で最も輝く一瞬を切り取った舞台写真68点が並んで、壮観です。日本舞台写真家協会のプロ46人の代表作を集めた協会展「from JAPAN」です。2021年6月11日、名古屋・栄のセントラルパーク地下街セントラルギャラリーで始まりました。20日まで。午前10時から午後9時まで。無料。
名古屋での開催は3年ぶり2度目。音楽、舞踊、演劇、能・狂言などのアーティストが舞台で演じるハイライトを捉えた舞台写真。「from JAPAN」をテーマに、海外への発信力のある作品、人物に着目した近作の数々が、長さ90㍍もある壁面会場に飾られ、見応え十分です。
首都圏、関西と並んで名古屋で上演された作品も多く、「ドン・キホーテ」のヒロイン、キトリを踊って華麗なテクニックを披露する近藤亜香さん(オーストラリアバレエ団プリンシパル)のバレエシーン、日本バレエ協会中部支部の躍動する群舞シーン(ともに杉原一馬さん撮影)、能楽師衣斐正宜さんの能「卒都婆小町」(瀬野匡史さん撮影)など。あの日、あの時の舞台の感動と興奮がよみがえります。
会場には舞台芸術に携わる関係者も訪れ、このうち名古屋の現代舞踊家野々村明子さんは「感動が伝わる作品、心に動き突き刺さる作品があっていいですね」と、食い入るように見つめていました。
ただ、コロナ禍はライブの舞台芸術を呑み込み、展示される舞台写真は2019年までで止まり、2020年以降の作品はありません。舞台写真家の苦境が伝わってきます。しかし、コロナに屈せず、こうして自分たちの活動を世に問う姿勢は、感動的です。