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民謡!クリスマスディナーショー
40周年「若駒」5人衆
中村優利みなぎる歌手魂

内藤千賀弘さん至芸「黒田節」

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 名古屋を代表するシティーホテル、名古屋東急ホテルを会場に、一風変わった民謡クリスマスディナーショーが毎年、年の暮れに開かれています。結成40年の民謡集団若駒の公演です。山崎定道、中村優利、内藤千賀弘、矢下勇珀、藤山音三の芸歴50年、60年のベテラン5人が、民謡の本流を追求しつつ、芝居などを交えた切り口で唄や三味線を披露し、民謡界に新風を吹き込んできました。さすがに、今年は扮装なし、芸一本のステージです。

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 このうち、名古屋に本場の津軽民謡を広めた大御所、中村優利さんは、難病の病床から「このショーには絶対出る」と一時退院しての登場です。出演者に両脇を抱えられステージに上がり、杖を片手にマイクの前に立ちました。最初の馬子唄では苦しげな様子だったのが、着替えて2曲目の秋田民謡を唄うほどに声に生気が出て、渾身の歌唱。歌手魂をみなぎらせました。

 脇で支えた娘の民謡歌手中村優美さんは目に涙を浮かべて、父の唄に聴き入ってました。胸が熱くなるシーンでした。


 IMG_8637.JPG優利さんは津軽 民謡の本場青森県から、兄の初代中村隆志さんが一座を組んだ三重・長島温泉の専属「中村民謡団」のメンバーとして1964年に出郷。名古屋に移住して58年。妻中村有里、娘の優美さん、仁美さんは民謡歌手、孫の中村滉己さんは津軽三味線世界大会のチャンピオンという、民謡ファミリーの長です。

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 内藤千賀弘さんは、本場博多にも弟子を持つほどの至芸「黒田節」をたっぷり。
IMG_8635.JPG 山崎定道さんは「中馬馬子唄」。

 尺八・笛の矢下勇珀さんは「八木節」。鳴物の藤山音三さんは「河内音頭」。

それぞれオハコを披露しました。

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 若駒第二世代や門弟たちも出演。日本民謡協会全国大会で内閣総理大臣賞受賞の中村優美さん、津軽三味線コンクールを3度制した矢吹和之さんらのほか、

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 東海大会や全国大会で優勝経験の津軽三味線コンクールを3度制した内藤千賀蝶さん、内藤千賀星さん、石黒加恩さん、三味線アンサンブル「Pure」が競演しました。

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 おひねりも余興のうちという大衆芸。お札を割り箸に挟んだおひねりが舞うたび、会場が盛り上がりました。郡上節や炭坑節では、浮かれて客が踊り出す輪ができて、心温まるひとときでした。