見る・遊ぶ

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プロ・アマ合同108点「繚乱の華」
動物画気鋭・高津ゆいさん新作
「曜変」長江惣吉さん作陶遍歴

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 プロ・アマ異色の合同展「繚乱の華」」が名古屋市東区大幸の市民ギャラリー矢田で2022年9月21日開幕し、25日まで開かれています。入場無料。

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 名古屋市内の山田、富田、南陽、志田味の4地区会館に集う趣味サークルの合同展です。この4館の指定管理者を務めるコスモコンサルタント社を率いる才人、内藤千賀弘さんが、ゲスト作家を招きプロ・アマ異色の競演としてプロデュース。作品を取り合わせて、空間演出を施し、一度で二重、三重に楽しめる展覧会です。

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 今回はゲストに、1992年、岐阜県多治見市生まれの新進気鋭画家高津ゆいさん、中国陶磁の最高峰「幻の曜変天目」を本格再現して国際的に注目を浴びる陶芸家長江惣吉さん、山車・堂内木彫の第一人者で91歳の今も旺盛に彫刻活動に励む駒田正則さんを招いて、3人の意欲作が公開されております。

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 高津ゆいさんは、愛知県立芸術大学の卒業制作、同大学院修了作品がそれぞれ美術館・資料館が収蔵されるなど、学生時代から期待を集め、東京、名古屋、関西の百貨店で個展を次々開催する売れっ子です。

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 動物をメインに色彩豊かさに動物たちの生命力が描きます。メインの「帰還」は、草むらに潜み獲物を狙うライオンの姿に、肉食獣の鋭い牙、強靭な顎などの頭骨が透かし絵のように浮かび上がる、不思議な味わいの作品です。このライオンは獲物を無事仕留めて、家族のもとに帰還できるのでしょうか。緊張感みなぎる作品に目を奪われます。

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 長江さんは、1万個焼いて1個出現するかどうか、という曜変天目の近作など24点を出品。曜変天目は内に星雲を宿した宇宙空間のよう。

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 家業の瀬戸染付から曜変再現に至るまで、この約20年間の多彩な作陶遍歴をたどる多彩な作品群を展観しております。

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 駒田さんは、躍動感みなぎる「倶利伽羅竜韋」など意欲作9点を展示。伝統踏襲から踏み出し、枯れることを知らない新境地には目を見張るものがあります。

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 3つの展示室を内藤さんは、遊び心あふれる独創の書と空間演出により「無 ありのままに」「感 かんじるがままに」などのテーマで、108点の出品作を関連づけて構成。妻の真正流華道家脇田智香さんの和洋の生け花作品との二人三脚で、展示室にアクセントを添えております。

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 プロの作家たちの作品に触発されて、趣味の絵画、シャドーボックス、書などの諸作品も発奮。不思議な立体感が魅力のシャドーボックス。教室主催の岩戸洋子さんのプロ作品も交え、見応えがあります。

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 小野尚美さんの油絵は、娘の晴れの門出を祝う慈愛の心に満ちます。出品作それぞれに、作者の人生、風雅の境地が垣間見えて、心に温かな風が吹き込まれるようです。