第29回名古屋いけばな芸術展が後期展
軽妙に重厚にベテランの味
花どころ愛知の華道家が流派を超えて結集する第29回名古屋いけばな芸術展の後期展が2021年10月29〜31日、名古屋・栄の市民ギャラリー栄8階で開かれています。
今年はコロナ渦のため、ほとんどの花展が中止になる中、感染が小康となり、徹底した感染対策をして開催されました。
後期展は前期展(26〜27日)と同様に、6つの展示室に真正、嵯峨御流、石田、小原、草月、池坊、日本生花司松月堂古流の7流派に加えて、名古屋市各区いけばな団体連合会、オール愛知華道連盟が、メンバーを総入れ替えして出品します。
WEB茶美会編集部が注目した後期展の見どころを紹介します。
◆後期展◆
◉青竹5本に杉の青、色づいたウメモドキ、咲き誇る菊花をリズミカルに配置した真正流の若林彩華さん、我妻華風さんの作品。
◉花木が踊り出すような躍動感あふれる石田流の吉田美翠さん、村井桂翠さんの作品。
◉山野の恵みを遊び心豊かにメルヘン調にまとめた嵯峨御流の青山美月さん、橋本蕙友さんの作品。
◉童謡「どんぐりころころ」の世界を童心にかえって表現した嵯峨御流の庄司信洲さんの作品。
◉どっしりした強い意志が生む美のダイナミズムが魅力の小原流の加藤信恵さんの作品。
◉紅葉した花木で生命の躍動を表現した順天流の横井翠風さんの作品。
◉秋の野山の賑わいを流木を絡めて表現した日本生花司松月堂古流の西垣恵雪さん、中村紀雪さんの作品。
◉花の生命力とやつれの美を取り合わせた水明流の水野明水さんの作品。
◉深山幽谷を縮景したような幽遠なたたずまいの宝山流の柴田紹和さんの作品。
◉椿一輪、水辺にかかる椿の咲き初めを格調高く生けた日本生花司松月堂古流の亀井亀元斎さんの作品。
◉都心のビル街にも深まる秋を表現した池坊の石川智恵子さんの作品。
◉やつれを帯びた秋の愁いと常緑の生命力を切り詰めた表現の中に対照させた池坊の近藤冨美子さんの作品。