見る・遊ぶ

見る・遊ぶ

花どころ愛知の華道家が流派超え 第29回名古屋いけばな芸術展 各流の美意識と個性競う

IMG_3659.JPG

 

 花どころ愛知の華道家が流派を超えて結集する第29回名古屋いけばな芸術展が2021年10月26日開幕、名古屋・栄の市民ギャラリー栄8階で31日まで6日間の会期で開かれております。

今年はコロナ渦のため、ほとんどの花展が中止になる中、感染が小康となり、徹底した感染対策をして開催されました。
 前期展(26〜27日)、後期展(28〜31日)には、6つの展示室に真正、嵯峨御流、石田、小原、草月、池坊、日本生花司松月堂古流の7流派に加えて、名古屋市各区いけばな団体連合会、オール愛知華道連盟傘下の諸氏が入れ替え出品します。

 IMG_3676.JPG

 花展がことごとく中止になる中、開催が実現したこの会にかける華道家の思いは強く、例年にもまして見応えのある花展となりました。

IMG_3663.JPG
主要7流派は10点ずつ出品。コーナーを巡るたび、個性を競いつつも各流独自の美意識が流れ、放つ香気と空気感が異なっていて、異流競演ならではの醍醐味を味わうことができます。

 WEB茶美会が注目した前期展の見どころを紹介します。

◆前期展◆

IMG_3680.JPG

◉扇形に剪定したシュロを立体的に配置し、秋の祝祭感と常盤の緑を対照的に演出した真正流の脇田智香さん、加藤栞翠さんの作品。

IMG_3666.JPG

◉秋の彩りと愁いが交錯する窓辺の情景を表現した石田流の石田秀翠さん、石田有賀里さんの花題「秋思」。

IMG_3667.JPG

◉パーティーにもってこいの「ハロウイン 素敵な魔女」の石田流、佐久間涛翠さんの作品。

IMG_3674.JPG

◉花の御所車をイメージさせる草月流の竹内洸春さん、村瀬智万里さんの作品

IMG_3668.JPG

◉緑と赤の草木と着色木による低い空間での演出が鮮やかな嵯峨御流の朝倉由美甫さん、星加和甫さんの作品。

IMG_3669.JPG

◉骨太の格調の中に絢爛の美を込めた小原流の金森厚至さんの作品。

IMG_3670.JPG

◉山鳥の羽根を効果的に配して、切り詰めた花材で見事な空間構成をした小原流の足立美奈子さんの作品。

IMG_3671.JPG

◉一対の花器に生けた古格ある立花で花の門を象徴した日本生花司松月堂古流の林勝致軒さん、加藤杪美園さんの作品。

IMG_3679.JPG

◉数多くの種類の花材をすっきりまとめて格調と侘びた風情が印象的な池坊の谷ひさ子さんの作品