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豊田・春日井の月釜再開
茶席レポート寄稿
七夕の趣向を競う

 愛知県に出されていたコロナ禍の緊急事態宣言が解かれて、休止していた名古屋近郊の豊田市と春日井市の7月の月例茶会が再開されました。豊田は本来なら広間、小間の2席ですが、当面は感染症予防のため広間一席のみの片翼再開となりました。久々の茶会。着物姿の茶客で両席とも華やぎました。

両方に参席した匿名レポーター氏からの寄稿をお届けします。

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 トヨタの町は、もとは挙母城の城下町。尾張、三河、信州など7つの国が見渡せた童子山にたつ七州城の城跡は、豊田市美術館の敷地になっています。その一角にある公共茶室、童子苑は戦後を代表する建築家谷口吉生の設計。みどりの絨毯が広がる茶庭にたたずむ、伝統にモダン感覚が融合した茶室です。

 
 ここを会場に毎月第2日曜に、豊田茶友会が主体となって開いている月例茶会が2021年7月11日、ありました。
 コロナ前は広間で薄茶、小間で濃茶の2席でしたが、広間薄茶のみでの再開です。7月の席主は裏千家・金子宗富氏が担当。着座の間隔をあけるなどコロナ禍対策施しての茶会です。

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 七夕にちなみ梶ノ葉を葉蓋にした水指を用いた夏の設え。千宗旦好み木地の宝珠香合を、玄々斎が再好みした珍しい香合など、裏千家らしい取り合せを満喫しました。

以前は当日券もありましたが、お客を絞るため年間券をお持ちの方しか入席出来ませんが、少しずつ、茶道界が動く事が嬉しく感じました。

 この日は茶会のはしご。春日井市に足を運びました。

 春日井市茶道連盟の月釜が再開されました。文化フォーラム春日井と春日井市青少年女性センターの茶室を交互に使って毎月第2日曜、月釜があります。しかし春州庵が小間のため、女性センターの広間のみで開催される事になったようです。
 表千家・加藤太恵氏が担当。寄付の床の間には復古大和絵の田中訥言筆の蹴鞠に七夕図。星祭りの趣向の取り合せが気持ち良く、お茶を満喫しました。
お客も、再開を楽しみにていたようで、賑わいを感じました。やはりお茶はいいですね。