熱田神宮の献花式厳か
真道流の奥村健作総監
雅やか神楽「万代」
東海地方に夏の到来を告げる名古屋・熱田神宮の風物詩「熱田祭り」。今年も昨年に引き続き感染症拡大予防のため花火、献灯まきわら、芸能・演武の奉納、露店出店が中止され、例年大勢の参拝客で賑わう境内はひっそりとしておりましたが、伝統の献花、献茶式は2021年6月5日、神楽殿で関係者参列のもと、厳かに執り行われました。
献花式は、花どころ名古屋を代表する24流派でつくる熱田神宮よもぎ花道会が、持ち回りで奉仕。この日は真道流の奥村健作総監が家元の代理で、烏帽子に狩衣の装束で威儀を正し、青竹に白菊9本を生けて、神前に奉納しました。
年間約70もの恒例祭や、特殊神事がもよおされる熱田さんですが、数ある祭礼の中でも「熱田祭り」は天皇陛下のおつかい(勅使)をお迎えする、最も重要で荘厳なお祭りです。
献花式は、祭主、取次のほか、4人の巫女、3人の雅楽師が座す中、奉仕者の奥村総監が付き添い2人を従えて登場し、緊張した面持ちで、花にハサミを入れて立花の姿を整えてゆきました。
祭主が祝詞をあげ、巫女4人が榊を持って舞う神楽「万代」に続いて、神職が幣で払い清め、一段と清浄な空気が醸される中、奥村総監、大原和生権宮司が玉串を謹んで捧げました。
熱田神宮よもぎ花道会を代表して庄司信洲副会長が参拝、柏手を打って、参列した宝山流の柴田紹和家元、正風華道の小島淑亭家元、日本生花司松月堂古流尾張支部の林勝到軒支部長ら会員一同も右にならって、献花式は滞りなく終わりました。
緊急事態宣言下、いつもならある協賛の花席がないのも、致し方ありません。
献花式に先立って、午前10時半から同じく神楽殿で、表千家の三木町宣行宗匠が献茶式を執り行い、神前にお茶をお供えしました。こちらも、添え釜はなく、式典のみの催行でした。