味わう

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拾穂園日乗 〜立春にぎやか干菓子〜
名古屋・円頓寺の松露堂

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お客さまの手土産でいただいた半生菓子と干菓子。箱を開けると、もうそこは一足早く立春の風情。「先生、どう並べましょうか」「そうだね、華やかに、絵になるように器も選んでね」。そんなやりとりの後、薄茶に出されたのが、これでした。


輪島塗の菓子盆に、干支のタツノコやら、雪持の松、雪笹、水仙、梅の花などを散らして、三寒四温のこの時候にぴったりの盛り付けができ、茶席が一気に華やぎました。
お菓子元は、創業1877(明治10)年、名古屋・円頓寺本町商店街の中ほどに店を構える「藤鎌松露堂」。名古屋駅から勤めていた新聞社までの歩いての行き帰り、時折寄って、名物の「松露糖」を買い求めた店であることを思いだしました。
久しぶりに食した松露糖は、こしあんをすり蜜でコーティングしたあんこ玉。その甘いこと。茶菓子というより、甘党のおやつの店。どれも、ちょっと大ぶり。

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甘さは強めですが、老舗らしく、堂々とした古典柄のようなちょっとレトロな姿は、なにか微笑ましいです。