一器・一花・一菓
花散里の羽二重餅
盆に葉桜を添えて
ふわふわのやわらかなお餅にくるまれた餡は、ほどよい甘さ。頬張ると、餅と小豆餡が口の中でとけあいます。羽二重餅は福井銘菓として知られていますが、茶席の菓子として羽二重餅を店の看板商品とする老舗が、茶の湯が盛んな愛知県尾張地方にあります。
東海道と中山道をつないだ脇往還、美濃路の宿場町だった一宮市萩原町。江川村屋賀峯はその一つ。江戸の創業以来変わらず作り続けている羽二重餅は四季折々、色、形、あん、そして焼印などの意匠が変わります。この時期、桜花の焼印が押されていました。
拾穂園の桜はいま落花盛ん。葉桜に姿を変えつつあります。桜木の若葉を添えて、花散里の風情を盆の上に表現してみました。
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