知る・学ぶ

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味わう

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拾穂日乗〜蕾ほぐれ含羞の椿〜茶花のころあいは

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茶の湯の世界では、四季の移ろいを大切にします。花は今を盛りに咲いている花より、おお、もう咲いたのか、という季節の先取り感が「ごちそう」になります。

いくらきれいでも咲ききったものは、もってのほか。あとは萎むか、落花するしかないからです。
かといって、蕾なら、なんでもいいというものではありません。
蕾が一会の経過とともに、ほぐれ、花のかんばせをわずかにのそかせる。
そんなはにかみを含んだ風情こそ、何よりの「ごちそう」です。

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椿は、中京椿を代表する名花、関戸太郎庵です。
季節を感じ、時の移ろいを表す、茶花。花の表情、枝ぶり、葉のつきよう。
選びに選んで、花をいけて客を待つ。
客は、そんな亭主の濃やかな心配りを感じとりたいものです。