味わう

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文人華の伝統を現代に
石田流100周年「芸術展」
壮観!延べ250点

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 大正11(1922)年、名古屋で発足した石田流華道会(名古屋市千種区)が創流100周年を迎え、記念となる「芸術展」が名古屋・栄の松坂屋名古屋店南館で2022年10月14日から17日まで4日間開催されました。

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 記念展のテーマは「華 花 はな」。「華」は、石田流初代家元から受け継がれる型を大切にした、伝承花。

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「花」は、洋花を主に使用し、いけばなの未来を感じさせる作品群。

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「はな」は、花とあそぼうをコンセプトに、青少年、幼稚園児から小中学校の子どもたちの楽しいアイデア作品です。

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 入れ替え展示されたのは250点です。

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 四代家元・石田巳賀さんの作品は「百子同室」。ザクロの実が熟れて、数百の種子が宝玉の如く同室にあることにちなみ、南画の影響を受けた文人華の流派として誕生した歴史に思いをはせ、流派、門人の発展を願う慶祝の生花です。5本の青竹を作品の周囲にに立てて、割いた竹を自在にしならせて躍動感ある空間をつくって、どっしり構えた大ぶりの唐金花瓶へ熟れた柘榴、シンビジュウム、菊、ねずを取り合わせて、現代に生きる文人華の精華としました。

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 家元の父、石田流会長であり三代目家元の石田秀翠さん、副家元雅翠さん。

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家元補の有賀里さんの合作、門弟の皆さんの力作に足を止めて見入りました。

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 新美南吉の児童文学「牛をつないだつばきの木」に題材をとった近藤貴翠さんの作品は、日露戦争に駆り出されてた命を散らした貧しい車引きの善意の井戸掘りを象徴する作品。戦場で命を落としたウクライナ、あるいはロシアの無名兵士一人ひとりには、それぞれ物語があることを表現し、静かに戦争のむごさを告発しているようでした。時代と向き合う作品と言えるでしょう。

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