味わう

味わう

関山三喜夫さん死去
モダンダンス91歳現役最年長
「情熱に生きて悔いなし」

IMG_4900.JPG

90歳を超えても第一線のプロダンサーとして活躍した現代舞踊家関山三喜夫(せきやま・みきお)さんが2022年2月2日、死去しました。満91歳でした。自宅は名古屋市名東区。通夜は4日午後6時から、葬儀告別式は5日午前11時から、名古屋市中村区名駅南4の9の22、イズモ葬祭名古屋貴賓館で。喪主は養女で現代舞踊家の松宮莉花(本名・松宮里佳)さん。

座右の銘は「情熱に生きて悔いなし」。座右の銘通り、生涯、ダンスの道を貫き、91歳になった昨年9月、名古屋市芸術創造センターであった「ダンスパラダイス2021 第64回現代舞踊公演」に出演。「月の光」「薄墨の‥」のソロ2作品を踊りました。公演前に体調を大きく崩して出演が危ぶまれましたが、舞台に情熱を燃やして決行。気迫あふれる演技を披露して、観客に感銘を与えました。


関山さん1930年生まれ。幼少から病弱でしたが、高校で演劇に取り組み、身体表現の一環としてモダンダンスを始めました。高校卒業後、名古屋の現代舞踊のパイオニア「奥田敏子研究所」に入門。区役所税務課勤めの傍ら、勤務外は演劇やダンスに打ち込み、モダンダンスに専心したいと周囲の反対を振り切って公務員を退職。以来、この道を突き進みました。

57年に独立して、モダンダンスに取り組むノリ子さんと結婚、名古屋市名東区に関山三喜夫舞踊研究所(ダンススタジオ併設)を設立し、関山三喜夫舞踊団を率いました。以来、中部地区における現代舞踊 の第一線で活躍。人間性を深く追求した 創作舞踊は高い評価を受けるとともに、多数の後進を指導し、芸術文化の振興と向上に貢献しました。
多くの受賞歴があります。85年度愛知県芸術文化選奨文化賞、2004年度名古屋市芸術特賞、10年地域文化功労者文部科学大臣表彰、11年愛知県教育文化功労者表彰など。一般社団法人現代舞踊協会中部支部長、 名古屋洋舞家協議会 会、中部芸能家協議会会長などを歴任しました。

この間、1999年に舞踊生活50周年記念公演 ハワイ・ロスアンゼルス・シドニー・南京・上海・メキシ コ親善公演、2017年リサイタル「米寿の会」を開催。
温厚な人柄と笑顔から慕われ、自宅ダンススタジオを合同公演のたびにリハーサル会場として提供し、多くのダンサーから感謝されていました。プライベートでは、10数年前に妻に先立たれてから、海外旅行に頻繁に出かけ「素朴で人間がむき出しになっているアフリカが大好き」と語っていました。

 後輩の現代舞踊家野々村明子さんは「弱られて一人暮らしができないからと病院に入院されていたようですが、昨年12月9日にお会いした時は、自宅スタジオの急な階段をひょいひょいと上がって、お元気でした。こんなに急にお亡くなりになるとは。モダンダンスの星が落ちた感じです」と長逝を悼んでいました。