味わう

味わう

一分閑話18〜服部清人〜読んだわきから‥

「あなたってよく本を読んでいるようだけど、それが実になっていないわよね...」
妻から嫌みとも皮肉ともとれる言葉。
「何を言うか! 読書というのはなあ、知識を得るためばかりが目的ではないんだ。音楽のようにそれに接しているときの感情の動き、ゆらめきを味わうことが大切なのだ!」
反論はしたものの、
確かに昨日も手に取った本棚の一冊は読んだ記憶はあるが、
内容がまったく思い出せないでいる。
「一粒で二度おいしいってことね。タダで二回楽しめていいじゃない」
妻がまた嫌みとも皮肉とも。
  ぎゃらり壺中天主人

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     ©️YOKOI Kazuo