味わう

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一分閑話⑧〜服部清人〜 何に人生を費やす

 インドの弦楽器奏者、ハザエルディーンはいう。

「人生の大半をチューニングに費やしてきた」と。
 それでいうなら、写真家は写真を撮ることよりも歩くことに人生を費やす。
 「では、書家は?」と聞かれて、
「その理屈からいけば、そりゃ墨すりでしょ」。
 武者小路実篤描く「書家、泰山」ならきっとこういっただろう。
人生は最期の最期まで次の準備をするためにある。

       ぎゃらり壺中天主人

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              ©️YOKOI Kazuo