ミューズ共演の夕べ
新生ぎゃらり壺中天
芸術文化の発信基地に
祈りをテーマに、現代作家の創作品とともに、仏像、写経断簡などの古美術を同列に並べて展観、販売する注目の企画展 「祈」いのりのカタチ 展。開幕した2021年5月15日、名古屋・伏見のぎゃらり壺中天3階ギャラリーで、記念コンサートがあり、ダンスと音楽のミューズが共演し、美術ファンや出展作家たちを魅了しました。
コンサートの模様は、ネットでライブ配信され、多くの人たちが視聴しました。
新装オープンしたぎゃらり壺中天が、現代から古代まで様々なジャンルの美術を扱うとともに、新たな芸術文化の発信拠点に変貌したことをアピールしました。
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記念すべきコンサートには、壺中天"常連"となったスペイン舞踊家・加藤おりは、新顔のクラシックギターのアレクサンドル・ガラガノフ、ヴァイオリンの山口美夕鶴が出演しました。
「ミューズ」の名の通り、麗しきヴァイオリニスト山口美夕鶴は、留学先のスイスの音楽院で知り合ったロシア出身のギタリストと夫婦デュオを組んで、以下の8曲を演奏しました。
1:「タンゴの歴史」より Bordel1900 / A.ピアソラ
2:タンティ·アンニ·プリマ / A.ピアソラ
3:アルハンブラ宮殿の思い出 / F.タレガ (ギターソロ)
4:組曲「若き日の物語」よりデディカトリア(捧げる言葉) (ギターソロ)
5:「カタロニア民謡」より王子 / M.リョベート (ギターソロ)
6:組曲「馬あぶ」作品97よりロマンス / D.ショスタコーヴィチ
7:リベルタンゴ / A.ピアソラ
アンコール.アントラクト / J.イベール
甘美で時に情熱的で鋭く斬り込んでくるヴァイオリンと、静かな抒情をたたえた繊細なギターの音色です。
ハイライトは、加藤おりはがデュオと共演した3曲です。
郷愁を帯びた「タンティ·アンニ·プリマ」では、加藤おりはは空間に儚い夢のような無数の彫像を造形しました。
ピアソラの代表曲「リベルタンゴ」では、フラメンコ伝統の靴を踏み鳴らすサパティアードをおり混ぜ、
加藤おりははまさに"踊る打楽器"。
リズミカルな強烈な踏み音に、会場は文字通り震撼しました。圧巻のダンスでした。
アンコールは、イベールのスペイン風の音楽「アントラクト 」でした。
店主の服部清人さんは「記念ミニコンサート」と銘打ってはいましたが、上演45分。堂々のギャラリーコンサーです。
出展作家は6人。陶芸の内田鋼一、書の小林紅琳、俳句の馬場駿吉、建築設計の山田高志、石彫の佐藤智、写真の水野誠司・初美 。現代アートの先端をゆく作家たちが、それぞれの領域で祈りをどう具象化、表現するのか。会場でご覧になってください。5月22日まで。入場無料。