拾穂日乗〜開炉控え 庭の剪定〜百本余の植木さっぱり
ニヤっお茶目な職人さん
3つの茶室が緑に囲まれた拾穂園。小間、広間、田舎家風の茶室ごとに趣が異なる茶庭があります。11月の炉開きを前に、庭木の剪定がやっと終わりました。
最も手間がかかるのは、母屋2階の大屋根の鬼瓦に届くようなカイヅカイブキの大木と、母屋の玄関にかかる門松です。数々の名園を手がける職人たちが、老松五雲を披くが如き枝に鋏を入れて、葉、枝をすかして形を整えてゆきます。
いくつもの花笠を重たように枝葉を切り揃える槇(細葉)、ヤマタノオロチのように四方八方に伸びた幹ををくねらすサルスベリの老木、クロガネモチ、沈丁花など多くの木々や楓、梅の樹形を整えたり、、、。
数百平米に及ぶ屋敷全体の植栽は、数えたことがありませんが、ゆうに百本を超すでしょう。茶庭を整備してから、茶庭以外の植木にも定期的に手をいれるようになって、茂りすぎの枝葉が落とされ、日当たり、風通しが良くなり、屋敷全体が生き生きしてきたようです。
手だれの職人揃いですが、すっかり顔馴染みになって、中にはお茶目な一面を見せる方も(笑)。
剪定された大量の枝葉はリサイクル。その場で機械によってチップにして、畑の一角に積んで置きます。半年ほど自然熟成させると堆肥になって、大地に還元されます。
剪定が終わると、庭はさっぱり。炉開きを待つばかり。
その前に、今週末は風炉の名残の茶事も控えております。茶人にとって秋はトップシーズンです。