音楽文化の変遷 リアルに
長谷さん業績 学会誌で賞賛
『発掘レトロ洋楽館―松坂屋少年音楽隊楽士の軌跡』
日本のオーケストラ秘史を発掘したWEB茶美会編集長の長谷義隆さんが自著『発掘 レトロ洋楽館―松坂屋少年音楽隊楽士の軌跡』(株式会社あるむより刊行)を巡る学会講演について、2023年2月1日付発行の「日本音楽学会中部支部通信第93号」が傍聴記を2ページにわたって掲載しました。
傍聴記は、愛知県立芸術大学講師で音楽学博士(同芸術大学とパリ=ソルボンヌ大学の博士論文共同指導プログラムにより両大学から授与)の七條めぐみさんが寄稿。同書は「松坂屋少年音楽隊(のちの東京フィルハーモニー交響楽団)出身のヴァイオリン奏者、 丹羽秀雄のアルバムと回顧録をもとに、大正~昭和前期にかけての日本洋楽史の一側面をつづったものである」と紹介します。
同書収録の丹羽秀雄アルバムの写真資料がスクリーンに映し出され、開局したばかりのラジオ放送局 (のちのNHK名古屋局)での演奏風景(1925年7月16日)や、中部地方唯一のレコード会社であった 「アサヒ蓄音機商会(通称ツルレコード)」での吹込みの様子(1928年)など、 近代化が進む名古屋において少年音楽隊が洋楽文化を牽引していたことを物語る新発見の写真などに注目しました。
中でも昔ながらの歌舞伎小屋の雰囲気を伝える往時の御園座でのオーケストラ写真について「床几(しょうぎ)を置いて腰掛ける洋装の楽団員、客席は升席の平土間という写真 (19283年11月1日)は、邦楽や伝統芸能が根強い名古屋において、 洋楽がどのように演奏されたのかを伝える貴重な資料と言える」と、賞賛しました。
『レトロ洋楽館』の後半では、満州に渡った丹羽の活動が、新京音楽団の身分証明書やハルビン市の当時の写真とともにつづられ、「ハルビン市ロシア人墓地に眠るケーニヒ氏の墓参記念」と題された写真(1942年9月25日)は「最も目を引いた」とし「ケーニヒの墓参写真には、 山田耕筰や丹羽だけでなく、同時期に満州に渡った日本人楽団員の姿が大勢収められている。この写真のような、 戦中・戦後の資料は、少年音楽隊の成長とはまた別の、日本占領期の満州の音楽事情や、 敗戦直後の日本の音楽文化をリアルに伝えるものである」などと指摘します。
同書が描く激動の時代を生き抜いた人間臭い音楽人生について「『レトロ洋楽館』およびそこに収録される資料は「丹羽秀雄という人物の物語を通して、近代日本の音楽文化がどのような変遷をたどったのか、 その過程を鮮やかに映し出すものだと言えよう」と、長谷さんが浮き彫りした音楽史料の価値を高く評価しました。
中日新聞に60回にわたり連載したものをまとめた同書は、簡潔で読みやすく、しかも愛書家から好評を得、とりわけ専門家から学術的価値が大変高いとお墨付きを得ております。歴史好き、音楽好きの個人はもとより、図書館、大学など公共性の高い機関はこの機会に収蔵をお勧めします。
500部限定出版につき、残り数十冊となりました。在庫がなくなり次第、入手は困難となります。
『発掘レトロ洋楽館 松坂屋少年音楽隊楽士の軌跡』
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「WEB茶美会」編集部 長谷 義隆(はせ・よしたか)
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