知る・学ぶ

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万葉抄
山なみ遠に春はきて
こぶしの花は天上に

 山なみ遠(とほ)に春はきて

 こぶしの花は天上に
 雲はかなたにかへれども
 かへるべしらに越ゆる路

      三好達治「山なみとほ」

 辛夷(こぶし)は早春に冬枯れの山野で咲きます。

しかし、春は名のみ、今冬最大級の寒波がきました。

花弁が細い幣辛夷(しでこぶし)は、別名を姫辛夷。

幣辛夷の開花時は葉がないため、

それだけを活けると寂しく、他の葉物と合わせて使う方がいいのですが、

あいにく合わせる草花がなく、一種活けになりました。

 文・写真 内藤 啓

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