万葉抄
乙女椿と白梅
節分に春の足音ます
2月3日は、節分。
節分と言えば、豆まき。
その豆まきに欠かせないのが「枡(ます)」。
その枡に、可愛いらしい乙女椿と白梅を入れました。
おめでたい席で目にすることが多い枡ですが、
元々は穀物やお酒などの体積を計る道具として活躍してきました。
神様に捧げるお供えものとして米や豆などが入れられた枡は神聖なものであり、
「縁起物」として考えられるようになります。それは「ます」という読みが「増す」や「益す」に通じ、「幸福が増す」「益々めでたい」などと、ハレの日にふさわしいものとされてきました。
枡の組み方は、「入」の字に組まれています。
「大入り」の縁起を担いでいることからも、枡は現在でもさまざまなハレの日に登場しています。
文・写真 内藤 啓