万葉抄
烏瓜ってカラスの好物?
花材で生きる"役立たず"
秋になると赤く熟した果実を、蔓からぶら下げるように実らせる烏瓜(からすうり)。
烏瓜は、名前から想像すると、烏の好物なのかなと漠然と思っていましたが、真っ赤でおいしそうな実が秋まで残っている様子をみて、烏の食べ残した瓜だと考えられたところから、烏瓜という名前がついたそうです。
烏瓜の葉が大きく生育旺盛なので、絡みついた木を枯らしてしまうことから、枯らす瓜が烏瓜になったという説もあります。
黄色い可愛いらしい花は、烏の胡麻。
その名前の由来は、種子をカラスの食べるゴマに見立てたのだそうです。胡麻のように弾けた種は取れるけれども役に立たないことから、烏の名を付けられたそうです。
実も種も、役には立たないかもしれませんが、どちらも花材としては魅力的です。
文・写真 内藤啓