知る・学ぶ

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万葉抄
槿花一朝の夢
ふるれば消ゆる幻

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高橋新吉の詩に、心を寄せて。

木槿の花の白さは何であらう
雪よりも白い花びらを
暑い夏の日盛りにひろげてゐる
遠い雲のような白さ
うす紙のすきとほるやうにうなだれて
匂いなく咲いてゐる 木槿の花よ
何であらう この白くほのかに目にひびく
ふるれば消ゆる幻のやうな花

「槿花」は、ムクゲの花のこと。
朝に開いて夕方にはしぼむところから、はかない栄華のたとえにされる。「一朝」は、わずかな間。「槿花一朝の夢」「槿花一日の栄」とも。

早いもので、父の新盆。

私の住む関東はひと月早いお盆です。
「祇園守」の純白の木槿をいけて。白い提灯とともにお迎えします。

文・写真 内藤 啓