万葉抄
紫露草、はかない花の命
「感謝離」の益子焼に
午前中に開花し、午後にはしぼんでしまう紫露草。
紫色にも濃淡があり、また、紅色や白色など種々ありますが、碧紫色の花が最も涼やかに感じます。
いつもは、細長い茎を活かしますが、今日は、途中で折れてしまいました。
「MOTTAINAI精神」を発揮し、星桔梗とともに入れました。
実は、この花入は、学生時代の友人が、益子焼の作家だった亡きお父様の遺品を整理し、「感謝離」だと私に贈ってくださったものです。
「MOTTAINAI精神」と「感謝離」は、どこか似ている気がいたします。
大切にされ過ぎて眠っているよりも、使ってこその、お道具ではないでしょうか。
文・写真 内藤 啓