知る・学ぶ

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万葉抄
白く可憐な姫空木
麗しき卯の花月夜に

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五月山 卯の花月夜 霍公鳥 聞けども飽かず また鳴かぬかも

                       詠み人知らず

 

 青葉の美しい五月の山。月の光が白い卯の花を照らし出す。
こんな麗しい夜に、どこからかホトトギスの鳴き声。
いくら聞いても飽きない。もう一度聞きたい、あのさえずりを。

 美しい月夜の情景に、男女の秘めやかな逢瀬が重なります。

 姫空木は「万葉集」に、なんと24首も詠まれた花。

白く清楚な花は、今も昔も人々の心を捉えて離しません。

 地面に向かって斜め下に咲く、その特性を活かして入れました。

文・写真 内藤 啓