知る・学ぶ

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富嶽山開きに大団扇絵
都会のオアシス「桃庵」
涼を呼ぶ風物詩

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「涼」を感じさせてくれる夏の風物詩、団扇(うちわ)。茶席に持ち込んだ扇子や団扇をあおいで涼むことは礼に失しますが、寄付にさりげなく涼しげな絵柄の団扇が置かれていると、うれしくなるものです。
昔はお店が顧客に団扇や扇子を夏のご挨拶に配ったものですが、そんな風習は今は昔。扇風機、エアコンの普及とともにすっかり無くなりました。
しかし、老舗百貨店の高島屋では、今でも健在のようです。毎年、上得意のお中元のご挨拶用として、名立たる画家に団扇絵の揮毫を依頼し、「高島屋名物 大団扇」を製作。ネットで調べると、時々、歴代の大団扇と原画展を開いているようです。

IMG_5146.JPG拾穂園には何枚か高島屋の大団扇がありますが、どれも色合い、岩絵具の質感もたっぷり、印刷とは思えない上質な仕上がりは、さすが美術部仕様。縦50センチ、横35センチもある大判で、あおいで使うものではなく、部屋飾り用。しゃれた団扇掛けも付いていて、普段のお稽古なら本席でもよし、気軽な茶会であれば寄付掛けにもなる、優れものです。

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2024年の富士山の静岡県側は、7月10日が山開き。外国人登山者が急増する富士山。登山規制や登録制など新たな試みが導入されたこともあってお昼のニュースは、開山でもちきりでした。
富士山の山開きの時期、毎年のように床の間に掛けるのが、大団扇の「雲上富嶽」です。白雲を突き抜けた夏富士を描いた鈴木竹柏画伯の日本画です。この日の茶花は、ワインレッドがエレガントでぷっくりベル状の花弁が愛らしいベルテッセン。開き掛けから蕾まで花の三態。葉っぱも踊るように刈り込んでみました。これに穂先がふさふさの三本の茎物を添えて、柱掛けの花入に投げ入れました。

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この紅殻色の床の間は、有楽流拾穂園の名古屋葵支部、茶室「桃庵」です。名古屋都心部のビル内のスペースに作り込んだ都会のオアシスです。地下鉄新栄町、千種の両駅から徒歩五分の利便性の高いお稽古場です。茶道有楽流のお茶の稽古は、本部茶室拾穂園のほか、桃庵では月に一、二回開いております。見学は要予約、歓迎します。
詳細は、主宰の長谷までメールでお尋ねください。
sabiejapan2021@gmail.com