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名古屋城茶席「使いやすく」要望
金城会の岡江智子さんら茶人有志
「お試し茶席」や市内小学校の茶道講師「登録制」も

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 名古屋城内の茶席を会場に定期的に茶会を開催して、茶どころ名古屋の茶道文化を振興している茶人有志の団体「金城会」が、名古屋市の河村たかし市長と面談して、茶会スタッフと茶会参加者の入場料免除や、既存の施設を使って観光客に常時、茶道体験ができる「お試し茶席」の場所提供などを要望しました。

 これに対して、河村市長は名古屋城の公設民営化の持論を展開し、金城会などの茶会利用者が城内でお茶会がしやすくなるよう、善処したいと答えました。
 

 面談は2022年6月20日に市庁舎であり、金城会からは事務局の岡江智子さん、「金城茶会」席主メンバーの裏千家神谷柏露軒(宗チョウ)さん、表千家谷口宗久さんが、事前に郵送した要望書をもとに、河村市長に陳情しました。
 入場料については、茶席利用者は場所利用料に加えて準備・本番・片付けを担うスタッフも入場料が徴収されている現状は「利用料の二重取り」だとして、免除を要望。あわせて、茶券を持参して明らかに茶会目的と分かる入場者には入場料の免除を要請しました。
 また、茶席利用の申し込みが今なおネットでできない時代遅れぶりや、施設利用者に対して監視、監督するという上から目線の現状を指摘して、改善を要望しました。
 「お試し茶席」の場所提供については、国内外からの観光客に茶道文化を体験し、名古屋の茶道文化の発信機能を持つ場所を常設して、民間に運営を任せてほしい旨を要望しました。具体的には、御深井丸会館の倉庫、あるいは茶苑内の「織部堂」の活用を提案しました。

 このほか、名古屋市が市内の小学校約400校に茶道ができる和室を順次設置して、茶道を児童たちに教える施策を進めていることに対して、定期的に交代する校長の裁量任せでは一貫性のある運営はできないとして、茶道各流派の組織による登録講師制にして、指導講師を派遣すべきだと提案しました。河村市長は同席した市教委の担当者に、講師登録について準備を指示しました。

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 写真上は、2022年5月1日の金城茶会「茶美会テーブル茶道席」に来場し、岡江智子さん、谷口宗久さんらとお茶を楽しむ河村たかし市長。同下は、名古屋城の茶席の一角。