万葉抄
みんな違っていい
連翹が語りかける
レンギョウは「連翹」と書きます。「連」は、枝に実が並んで付いていることを、
「翹」は、キジが尾羽を広げて高く飛び立つさまを表した漢字です。
ここでは茎が高く直立していることを表しているそうです。
『私と小鳥と鈴と』
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
金子みすゞ
連翹の花は、彼方此方を向いて、思うようになりません。
でも、みんな違っていいんですよね。
文・写真 内藤 啓