知る・学ぶ

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万葉抄
花色が変わる酔芙蓉
名句に寄せて

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 芙蓉さく今朝一天に雲もなし
江戸時代中・後期の俳人、宮紫暁の「鴈風呂」より。

 酔芙蓉は、一日の間に白花も赤花も見ることができる不思議な花木。花色が白・ピンク・濃いピンクへ変わるのが特徴です。

蕾の時は赤に近い濃いピンクで、朝に白い花を咲かせます。
お昼には優しいピンク色になり、夕方には濃いピンクになり、その後は萎んでポトリと落ちます。

 父が静かに旅立った日、病院に咲いていた芙蓉の花が今も目に焼き付いています。

 文・写真 内藤 啓