知る・学ぶ

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万葉抄
洋花クレマチス
青紫色に魅せられて
街暮らしの身近な茶花

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 いつもは、できるだけ野山で摘んだ草花や、自宅で育てている茶花を入れていますが、久しぶりに覗いた花屋さんで、この青紫のクレマチスに目が釘付けになりました。

 江戸時代の茶書「南方録」に利休の教えとして禁花を示す歌が残されています。「利休禁花」です。
「花入れに入れざる花は沈丁花、深山しきみに、鶏頭の花、女郎花、柘榴、河骨、金盞花、せんれい花を嫌い事すれ」
 

 香りの強い花、毒々しい花、名前の悪い花等はさけます。利休は「これ初心者の為なり」とも言っています。
 洋花も、厳密に言えば禁花ですが、近くに野山がなかったり、庭のないマンションにお住まいの方々も多いと思います。
利休居士が逝去してから4世紀余、禁花を知った上で、花屋さんで求めることのできる身近にある花を入れてもいいのではと思います。
 花は、疲れた心を癒やし、生活に潤いを与えてくれる神様からの贈り物です。

 文・写真 内藤 啓