知る・学ぶ

　

　戦乱の世の平定目前に倒れた織田信長公。6月2日はその命日です。

同じ日に、祖父信長公を敬愛した武家茶人、織田貞置公は89歳で長逝しました。一説によると、6月2日に絶命すべく食と水をたって、果てたそうです。その敬慕の強さがうかがえるエピソードです。

　有楽流拾穂園は両公の遺徳をしのぶ記念茶会をこの日、信長公生誕地に近い愛知県稲沢市の同園で開きました。

感染症の緊急事態宣言下、出席者を絞っての開催でしたが、幸い、梅雨の晴れ間でした。

　

　茶室に、若き日の信長公の覇気をほうふつとさせる北村西望百二歳の書「清洲の若大将」を飾って、ご位牌代わりとし、天目茶碗と高杯を献茶、献果しました。般若心経を唱和して、霊を慰めました。

茶会では、渡辺崋山・如山兄弟合筆の信長公画賛、貞置公の茶杓、ゆかりの高麗茶碗など、両公をしのぶ茶器をちりばめて、茶道精進を誓いました。

茶会の後、信長公生誕地とされる勝幡城跡に移動して、茶や花を遺徳をしのぶ石碑に供えました。