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ほっと茶ッと〈熊崎康記〉
◎無駄のない点前、スポーツと通じる。楽しさこそ上達の道

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 本年はオリンピック・パラリンピックイヤーです。
時世柄、開催に様々なご意見もあろうでしょうが、ひたむきに競技と向かう選手への応援は、純粋なものであってほしいものです。
 さて、お茶の点前もスポーツと通じるものがあると思います。
 稽古の最初はぎこちなく、おぼつかない手も、繰り返し稽古を積むことで動きに無駄がなくなっていきます。
 それは体の使い方、筋肉の使い方を頭で覚え、さらに透徹すると何も考えなくとも、自然と体がうごくようになるからです。
 剣道、柔道なども高齢の高段者の試合を拝見していると、無駄がなく、ともすれば美しい所作の中で競技が行われます。
茶道も、美しいと感じる点前は余分な力が抜け、所作に無駄がない。
 言うのは簡単ですが、実は思うように体を動かすことは意外と難しいのです。

 結局は体を動かす実践をして、繰り返し動作をすること以外に上達の道はないと考えております。
 そのためには、向かい合う対象を「楽しい」と思えることが第一だと思います。
 ぜひ、茶道もスポーツも楽しんで精進したいものだと向き合いたいものです。

 ※熊崎康記さんは、岐阜県飛騨地方の下呂市にある裏千家茶道教室「無盡庵」を主宰。岐阜市でも流派を超えた、茶会形式の勉強会「無盡会」を開いておられます。写真は、WEB茶美会の本部事務所がある「拾穂園」に来園の折に撮影。